地震 車中泊時の避難方法として検討すべきポイント

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地震時に車中泊をする際の注意点

地震が発生した際、建物内での避難生活を避け、車内での一時避難を選択する「車中泊」は、近年注目されている避難方法の一つです。

しかしながら、車中泊にはさまざまな注意点があり、十分な事前準備と対策が必要不可欠です。

地震発生時は車中泊を避けるべき危険性

地震発生直後の建物崩壊などの二次災害を避ける目的で車中泊を選択する場合がありますが、むやみに車中泊をしてはいけません。

地震による地盤沈下や斜面崩壊の危険性がある場所では、車両が流されたり埋まったりする可能性があり、車内での避難はかえって危険です。

地形や地盤の状況を考慮して、できるだけ安全な場所を選ぶ必要があります。

車中泊を防災の選択肢として検討する際のポイント

車中泊を防災の選択肢として考える際、健康面でのリスクが最も大きなポイントとなります。

狭い車内での長時間の同じ姿勢は血行を悪化させ、最悪の場合はエコノミークラス症候群を発症する可能性があります。

定期的に体を動かしたり、水分を補給したりするなど、症状の予防に努める必要があります。

車中泊をするために必須となるアイテムや備品

車中泊を快適に過ごすためには、シートのフラット化、プライバシーの確保が基本となります。そのために役立つアイテムとして、マット、カーテン、専用のシェード、携帯トイレ、ポータブル電源、非常食、飲料水などを事前に準備しておくことが大切です。

状況に応じて使い分けられるよう、できる限り多角的な備品をそろえておきたいものです。

車中泊中に起こりうる熱中症への対策

真夏の車中泊では熱中症に注意が必要です。

車内の温度上昇を抑えるため、ウインドウの外側から遮光できる専用の日よけシートや段ボールを使用します。

また、小型のバッテリー式扇風機やミスト噴霧器、冷却用グッズを活用することも有効な対策といえます。

非常食や飲料水など、車中泊での食料確保

災害時にすぐに食べられるレトルト食品や乾パン、チョコレート等の非常食を常備しておくことが大切です。

保存のきくミネラルウォーターやスポーツドリンクなどを飲料水として用意しておくことも忘れてはいけません。

量の目安としては、少なくとも人数分の3日分が基本ですが、長期の車中泊も視野にいれるならば1週間分の非常食や飲料水を確保することをおすすめします。

車内での充分な水や洗面所の確保

飲用だけでなく手洗いや洗顔に必要な水も確保する必要があります。

大容量の携行缶に予め水を入れておくか、災害時に確保したペットボトル等にためる等して手配することが理想的です。

また、ポータブルシャワーや簡易な洗面所をセットで準備しておけば、より衛生的に過ごすことができます。

 

駐車場所の選定と車内の防犯対策

地震発生直後は落ち着いた判断が難しくなりますが、できる限り危険の少ない場所を選び、駐車することが大切です。

崖崩れや津波の心配がない場所で、なおかつ他の車両の移動や避難の邪魔にならないよう注意しながら駐車位置を決めます。

また、必要に応じて車内からの眺望を遮ることで、内部が外から見えにくくする等の防犯対策も並行して行います。

車内でのトイレや排泄処理の確保

車中泊ではトイレの確保が課題となりますが、簡易トイレや排泄処理シートを使うことで対応が可能です。

使用後の廃棄処理ができない場合は、密閉できる空容器にためる等して、衛生面には細心の注意が必要です。

女性の方は生理用品も事前に多めに準備しておくことが好ましいでしょう。

車中泊を選択する場合の避難所との比較検討

避難所が使える状況であるにも関わらず車中泊を選択する場合、避難所との比較検討が欠かせません。

避難所と車中泊、双方にメリットとデメリットが存在するため、状況を見極めた選択が必要不可欠です。

車中泊が原因で起きる可能性のある死亡事例

前述の通り、車中泊中にエコノミークラス症候群を発症し、死に至るケースが報告されています。

車中泊での健康被害を未然に防ぐため、体調管理はもちろん、定期的に体を動かしたり体位を変えたりする等の対策が欠かせません。

避難所と車中泊のメリット・デメリット比較

避難所に比べ車中泊のメリットとして、プライバシーが守られることや、ペット同行が可能なこと等があります。

一方で避難所では自治体からの支援物資提供が受けられるなどの長所があり、災害時にはこうした両者の違いを考慮して判断する必要があります。

一時的な駐車と車中泊が可能な場所の確認

もし車中泊を選択する場合、事前に一時的に駐車を認めている商業施設の駐車場や、緊急的に開放されることが明示されている公共駐車場等をリストアップしておくことが大切です。

想定外の場所に停車することが周囲の支障となる可能性があるため、事前の確認が欠かせません。

地震発生時の車中泊に関する法律やルール

災害対策基本法に基づき、多くの地方自治体で車中泊は原則禁止と定められています。

やむを得ず車中泊を選択する場合も、必ず事前に駐車を許可されていることを確認した上で、できる限り速やかに指定避難所への移動が必要です。

周囲の交通の妨げとならぬよう駐車位置や車内生活にも配慮が求められます。